京都名園を巡って
- はじめに -
一般公開されていない住友家の庭園を見学させていただける段取りが取れ、協会役員と技術委員会の合同研修会とし25名の参加で京都の名園を巡ってきましたので報告します。
「住友有芳園」
ここは、住友家15代の吉左衞門友純氏の別邸として、大正2年に着工し、7年の歳月をかけて完成され、昭和12年より今日に至るまで本邸となっているところです。
庭園は、平安神宮の神苑や山縣有朋の別邸など、京都の数ある名園を手がけた植治七代目小川治兵衛の作庭であり、赤松を中心に秀麗な東山を借景とし、庭園内の池水は、琵琶湖を源とする哲学の小道に沿う疎水から引かれています。
現在も維持管理は完璧にされ、園内の散策中何度もすばらしい風景・技術に感激しました。
また、隣接されている泉屋博古館、住友資料館には住友家の膨大な中国古代の青銅器、鏡鑑が展示されており、住友家の銅への格別なこだわりと、その桁違いの銅のコレクションに目を見張りました。
「東福寺 方丈庭園(八相の庭)」
昭和の作庭家・重森三玲氏が昭和14年に作庭し、近代庭園の傑作と称されています。方丈の東西南北に作られた四庭は、枯山水でありながら、スギゴケ・サツキ・敷石が多用され、現代的な感覚の庭でした。
東福寺 方丈東庭
東福寺 方丈東庭
東福寺 方丈西庭
東福寺 方丈西庭
東福寺 方丈南庭
東福寺 方丈南庭
東福寺 方丈北庭
東福寺 方丈北庭
「妙心寺 退蔵院」
妙心寺の山内には40余りの塔頭があり退蔵院はそのうちでも約六百年の歴史を誇る屈指の古刹として知られています。ここには二つの著名な庭があります。
退蔵院「元信の庭」
退蔵院「元信の庭」
一つは、「元信の庭」と呼ばれ、室町時代の画聖狩野元信の作品であり、絵画的な風格を備えた枯山水庭園です。庭の背景には常緑樹を主に植えられ、一年中変わらない美しさ「不変の美」を求めた物と言われています。
もう一つは、「余香苑」。庭園は造園家中根金作氏の設計によるもので、昭和38年に着工し、3年の月日を費やして完成されています。サツキや、ツツジの大刈り込みで構成されており、正面から庭園を見渡すと、奥行きが生まれ、庭園が広大に見えるように造られていました。 退蔵院「余香苑」
退蔵院「余香苑」
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