第1回被災地支援活動 平成23年8月19日~21日
樹木治療・樹勢回復作業および仮設住宅地における園芸福祉活動 |
陸前高田市震災被害地の現状 (平成23年8月19日現在) |
・夏草の「緑」が、わずかながら荒廃感を和らげている。 ・震災から5ヶ月余りたち、瓦礫はかなり整理されてきた。 ・瓦礫は、鉄・木・コンクリート・車等に分別され、あちこちに積み上げられている。 |
道路があった場所 街路樹の根茎部は表土が流されていない。 | 冠水箇所までは、赤く枯れ上がっている。 |
希望の松地表部 |
地盤が沈下したことにより、松の根元が波で侵食され、地下根茎がむき出しになっている。 支持根が深くまで伸びているため、倒れたり流されたりしていない。 |
1.被害地支援活動内容 6月29日~7月2日に陸前高田市の被災地で市域の大半が壊滅的な被害を受けている中、樹木等植生調査及び樹木保護活動、土壌分析調査等を行い、宿泊施設玄関口(キャピタルホテル)に奇跡的に残った欅(樹高14m、幹周1.62m)の樹勢診断および応急的な樹勢回復作業を実施した。 また、仮設住宅等の住民からの聞き取り調査をし、現地の方々が、生活環境改善のために草花とのふれあいを求めていることを確認した。 調査団の報告を踏まえ、被災地に対し「単なる物資の提供」だけでなく、「まちづくり」を業とする『造園家』の役割として、住民の皆様の心に、少しでも「想い出」や「希望」、「ふるさと感」等を抱いていただけるよう、街や施設のランドマークになり得る「残ったケヤキ」の樹勢回復治療を行ったり、また、仮設住宅で暮らす皆様が、草花を通じ、みんなで一緒に楽しい時間をすごし、生活に安らぎを感じ、交流を図るコミュニティー機能再生のお力添えになることが、大切であると考え、花と緑と健康のまちづくりフォーラムと協働し、8月19日(金)~21日(日)の日程で、「災害支援団」として陸前高田市で主に下記の活動を行った。 1)キャピタルホテル前欅の治療及び樹勢回復活動 「園芸福祉入門」:(特定非営利活動法人 日本園芸福祉普及協会編)より |
2.津波被害から奇跡的に残ったケヤキの樹勢回復治療 7月1日、2日に行った、樹勢診断及び応急処置に引き続き実施 ・根系域にある土砂 ・瓦礫の撤去 • 中・太根の探掘、切断、発根促進剤施用 • 施用箇所の土壌入れ替え • 枯れ枝、損傷枝の剪定 • その他 |
津波の水圧で外側に膨らんでしまった壁 |
根系域にある土砂・瓦礫の撤去 津波によって運ばれた厚さ200mmの土砂を撤去 (土砂は、降雨の浸透、酸素の通過、 残留塩分の脱塩等を妨げる。) |
中・太根の探掘、切断、発根促進剤施用 ・幹を中心に八方向にまんべんなく探掘。 ・50mm~100mmの根は、環状剥皮を施用。 (水分通導、樹体支持をさせつつ細根発生 を促す) ・その他の根は改良土壌投入直前に切戻し、 発根促進剤を塗布 |
施用箇所の土壌入れ替え 幹からおよそ2.5mの位置を約60cm程度掘削し、塩分の 残留する土壌を改良土壌と入れ替えた。 (細根促進のため1mの深さを予定していたが、掘削によ り地表下約60cmの位置に粘土層があることが判明。粘土層は 海水の浸み上がり現象を防止するとの判断から粘土層までを廃土 した。) 改良土壌 赤玉:鹿沼土:籾殻くん炭:培養土:ピートモス |
損傷枝、枯枝の剪定 津波による大きな損傷を受けた枝の切除に併せ、 枯枝の剪定を実施。切り口には、人口樹皮 (デンドローサン:東邦レオ)を塗布。※高所作業車使用 |
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